Agent Skillsとは?Claude Codeのスキルが標準団体へ。CodexでもSKILL.mdが動くか実測
Agent Skillsとは、Claude Codeで始まったスキルの仕様です。2026年10月22日の寄贈で何が変わるかと、同じSKILL.mdをClaude CodeとCodexで動かした実測を載せます。

この記事の結論
- Agent Skillsは、SKILL.mdを含むフォルダで手順と資料をAIエージェントに渡す仕様で、2025年10月にClaude Codeで始まり、2026年10月22日にAAIFへ寄贈されました。
- 寄贈で移ったのは名称・ロゴ・GitHub組織・agentskills.ioドメインと仕様で、既存スキルの動作とライセンスは変わらず、複数社による技術運営委員会が版管理・提案手続き・安全指針を整えます。
- Claude Code v2.1.310は共通の.agents/skillsを読まず、Codex CLI 0.164.0は.agents/skillsの同じSKILL.mdを自動で選んで9項目すべてに正答しました。
- 手元の101個のスキルを検査ツールskills-refにかけると29個が標準外で、原因はdescriptionの1,024字超とClaude Code・Cursor固有のフィールドでした。
- Sonnet 5.5は「入金状況を確認して」では一覧にあるスキルを呼ばず、「消込」「未入金の洗い出し」と書くと自動で呼んだので、descriptionと依頼文に同じ業務の言葉を入れることが自動発火の条件です。
Anthropicは2026年10月22日、Claude Codeで始まった「スキル」の仕様 Agent Skills を、Linux Foundation傘下の Agentic AI Foundation(AAIF)へ寄贈しました。移ったのは名称・ロゴ・GitHub組織・ドメイン・仕様の管理主体で、手元のスキルはそのまま動きます。この記事では、何が変わり何が変わらないかを公式発表と告知スレッドから整理し、同じSKILL.mdをClaude Code v2.1.310とCodex CLI 0.164.0で動かし、手元の101個のスキルを仕様の検査ツールにかけた結果を載せます。先に結論を言うと、Codexは共通の置き場所 .agents/skills のスキルを自動で選び、Claude Codeはその置き場所を読まず、101個中29個が標準外でした。
目次
Agent Skillsとは?Claude Codeの「スキル」との関係
Agent Skillsは、SKILL.md というファイルを含むフォルダで、AIエージェントに「手順」と「資料」を渡すためのオープン仕様です。Anthropicが2025年10月にClaude Codeの機能として始め、同年12月にオープン標準として公開しました。Claude Codeで / から呼び出す「スキル」は、この仕様にClaude Code独自の拡張を足したものです。
仕様(agentskills.io の Specification、2026年10月25日確認)が定める中身は小さく、フォルダに SKILL.md を1つ置けば成立します。SKILL.md の先頭に YAML のフロントマターを書き、その下に Markdown で手順を書きます。フロントマターで必須なのは name(64字以内、小文字の英数字とハイフン、親フォルダ名と一致)と description(1,024字以内)の2つだけで、任意項目は license・compatibility(500字以内)・metadata・allowed-tools(実験的)の4つです。同じフォルダに scripts/(実行するコード)、references/(判断基準などの資料)、assets/(テンプレート)を置けます。
Anthropicのエンジニアリングブログ(Equipping agents for the real world with Agent Skills、2025年10月16日、Barry Zhang・Keith Lazuka・Mahesh Murag)は、スキルを「SKILL.md を含むディレクトリ」と定義し、読み込みを3段階に分けると説明しています。仕様はこれを「段階的開示」と呼び、目安の数字も示しています。
段階的開示の3段階(agentskills.io の目安)
- メタデータ:起動時にすべてのスキルの name と description だけを読む。1件あたり約100トークン
- 手順:依頼に合うと判断したときに SKILL.md の本文を読む。5,000トークン未満を推奨し、SKILL.md は500行以内
- 資料:scripts・references・assets は、手順が参照したときだけ読む
スキルは「社内ルールを常に覚えさせる」CLAUDE.md とは役割が違います。CLAUDE.md が毎回読まれる前提知識なのに対し、スキルは必要なときだけ呼ばれる作業手順です。この使い分けはCLAUDE.mdとskillsの使い分けガイドで詳しく書きました。本記事はその先、「書いたスキルが Claude Code の外でも使えるか」を扱います。
2026年10月22日に何が起きたのか?Agentic AI Foundationへの寄贈
Anthropicは2026年10月22日、Agent Skills の名称・ロゴ・GitHub組織・agentskills.io ドメイン・仕様そのものを、Linux Foundation傘下の Agentic AI Foundation(AAIF)へ寄贈すると発表しました(公式発表)。AAIFはAnthropic・Block・OpenAIが2025年12月に共同で設立した団体で、Anthropicはすでに MCP(Model Context Protocol)を寄贈しています。
発表に添えられた数字は次のとおりです。いずれもAnthropicの自己申告で、外部が再集計したものではありません。
運営の形も決まっています。公式発表によれば、保守はAnthropic・Google・OpenAIなどのエンジニアが個人として担い、Lead MaintainersはDavid Soria Parra氏とMahesh Murag氏です。Anthropic公式アカウント @ClaudeDevs の告知スレッドは、技術運営委員会(Technical Steering Committee)をAnthropic・Earendil (Pi)・Google・Microsoft・OpenAI・OpenCodeのエンジニアで構成すると述べ、最初の優先事項として「番号付きの版」「正式な提案手続き」「スキルの作者と利用者向けの安全指針」の3つを挙げています。
Claude Codeを作ったBoris Cherny氏(Anthropic)は、寄贈の動機を次のように書いています。
「Agent Skills は Claude Code での実験として始まりました。業界の多くが採用するようになったので、私たち Anthropic は MCP の隣に置くかたちで AAIF へ寄贈するのがふさわしいと考えました。」
"Agent Skills started as an experiment in Claude Code. Many across the industry have come to adopt it, so we at Anthropic found it more fitting to donate it to the @AgenticAIFdn, next to MCP."
Boris Cherny(Anthropic・Claude Code 開発者)— X の投稿(2026年10月23日 JST)
反響は大きく、@ClaudeDevs の告知は2026年10月25日時点で表示92.1万・いいね8.6K・ブックマーク2.5K、Cherny氏の投稿は表示25.9万・いいね2.5Kでした(当研究所がログアウト状態のブラウザで取得)。独立開発者のSimon Willison氏は同日のブログで、2025年12月にスキルが「オープン標準」と呼ばれた時点で「AAIF に行き着いても驚かない」と書いていたことを紹介しています。一方、日本語でこの寄贈を解説した記事は、2026年10月25日時点の検索では見つかりませんでした。
寄贈でClaude Codeのスキルは何が変わり、何が変わらないのか?
結論は、手元のスキルは何も変えなくてよく、変わるのは「仕様を誰が決めるか」と「これから付く版番号と安全指針」です。@ClaudeDevs は「あなたのスキルはそのまま動き、ライセンスも変わらない。AAIF に加入しなくても仕様を使い、貢献できる」と明言しています。仕様の中身も、寄贈の前後で変わっていません。
変わらないものの中で、業務で使う人が押さえておきたい点が2つあります。1つ目は、Claude Code独自の拡張フィールドは引き続きClaude Codeだけのものだという点です。Claude Codeのドキュメント(Skills、2026年10月25日確認)によれば、Claude Codeは仕様の6項目に加えて disable-model-invocation(自動呼び出しを止める)、user-invocable、argument-hint、context: fork(サブエージェントで実行)、hooks、paths、model、effort などを受け付けます。そして「Claude Code の外(claude.ai へのアップロードや Skills API)では name・description・license・compatibility・metadata・allowed-tools 以外のフィールドはアップロード時にハードエラーになる」と書かれています。拡張を使うほど、そのスキルはClaude Code専用になります。
2つ目は、ベンダー中立になったことで「業務手順をスキルとして書く」投資が、特定のツールに縛られにくくなった点です。士業事務所やバックオフィスが「申請書類の添付チェック」「月次報告の型」「入金の消込」のような手順をフォルダに書いておけば、今日はClaude Code、来年は別のエージェント、という移行が理屈の上では可能になります。ただし「理屈の上では」であって、実際に動くかどうかは次の2節で確かめます。
これから変わるものは、技術運営委員会のロードマップにある3点です。「番号付きの版」が出れば、スキルがどの版の仕様で書かれたかを示せるようになります。「正式な提案手続き」は、Anthropic以外の実装者が仕様の変更を提案する入口です。そして「安全指針」は、後述するSnykの調査が示した問題への対応になります。公式発表は「MCP と同じく、コミュニティの意見と透明な意思決定を優先する」としています。
手元の101個のスキルは標準に通るのか?skills-refで検査した結果
当研究所の手元にあるスキル101個を仕様の検査ツールにかけたところ、72個が合格し、29個が標準外でした。標準外の理由は、descriptionの1,024字超えが9件、Claude Code独自の disable-model-invocation が9件、argument-hint が3件、Cursor独自の environments と disabled-environments が計6件です(1つのスキルに複数の理由があるものを含みます)。
検査ツールは、仕様と同じリポジトリで公開されている参照実装 skills-ref(0.1.0、Python)です。README は「デモ目的で、本番向けではない」と断っていますが、仕様のページが「スキルの検証に使う」と案内しているので、現行仕様の最も素直な判定器といえます。導入と実行は次のとおりです。
git clone --depth 1 https://github.com/agentskills/agentskills.git
cd agentskills/skills-ref && uv sync
.venv/bin/skills-ref validate ~/.claude/skills/k
# Validation failed for ~/.claude/skills/k:
# - Unexpected fields in frontmatter: argument-hint, disable-model-invocation.
# Only ['allowed-tools', 'compatibility', 'description', 'license', 'metadata', 'name'] are allowed.
検査した101個の内訳と結果は次のとおりです。
| 置き場所 | 検査数 | 合格 | 主な不合格理由 |
|---|---|---|---|
| プロジェクトの .claude/skills | 4 | 3 | descriptionが1,119字 |
| 個人の ~/.claude/skills | 42 | 33 | disable-model-invocation、argument-hint、description超過 |
| 共通の ~/.agents/skills | 30 | 24 | description超過、disable-model-invocation |
| Cursor同梱の ~/.cursor/skills-cursor | 25 | 12 | environments / disabled-environments、description超過 |
| 合計 | 101 | 72 | 29件が標準外 |
※ 当研究所の環境(2026年10月25日、skills-ref 0.1.0、リポジトリ main の 2026-08-09 時点のコミット)。Cursor同梱のスキルはCursorが自分のために配布しているもので、標準外でもCursorでは動く
同じフォルダをClaude Code自身の検査コマンド claude plugin validate(v2.1.233以降)に通すと、Claude Code独自フィールド入りも含めてすべて合格しました。Claude Codeの検査は自分の拡張を含めた「Claude Codeで動くか」を見ており、skills-refは「仕様どおりか」を見ています。両方に通して初めて「どこでも動き、Claude Codeでも動く」と言えます。なお claude plugin validate にスキルのフォルダを1つだけ渡すと「No manifest found」で失敗するので、スキル群を含むディレクトリ(.claude/skills など)を渡します。
意外だったのは、Anthropic製のスキルにも他の実装が読めないものがあったことです。後述するCodexの実行ログには、Codexが取り込んでいたAnthropic製の schedule スキルを「YAMLが不正」として読み飛ばした記録が残っていました。descriptionを二重引用符で囲んだ中に、さらに二重引用符が入っていたためです。Claude Codeはこの書き方を受け付けますが、Codexの厳密なYAML解析は受け付けません。agentskills.io の実装ガイドは「他のクライアント向けに書かれたスキルには、技術的に不正なYAMLが混ざる。引用符で包み直すなどの救済を検討せよ」と注意しており、実装によって扱いが分かれる部分です。
同じSKILL.mdはClaude CodeとCodexで動くのか?6回の実測
同じスキルフォルダを置き場所と依頼文を変えて6回動かした結果、Codexは共通の置き場所 .agents/skills のスキルを自動で選んで正しく処理し、Claude Codeは .agents/skills を読まず、.claude/skills に置いた場合も依頼文に業務の言葉がなければ自動では呼びませんでした。答えの正しさは6回とも9項目すべて正解で、スキルの有無で差は出ませんでした。
検証の設計
題材は、バックオフィスで毎月発生する「請求台帳と入金明細の消込」です。架空の事務所の請求8件(invoices.csv)と銀行の入金7件(bank.csv)を用意し、9つの正解を仕込みました。請求番号が摘要に入った入金3件、番号はないが名義と金額で一致する入金2件、振込手数料分の660円が足りない入金1件、期限を17日過ぎて入った入金1件、期限を20日過ぎた未入金(督促候補)1件、期限前の未入金1件、そして台帳にない名義からの110,000円の入金1件です。最後の1件は期限前の請求と金額が同じで、名義を見ずに金額だけで消し込むと誤りになる罠です。
スキル invoice-reconcile は仕様の範囲だけで書きました。フロントマターは name・description・license・metadata の4項目、本文は39行で、「scripts/reconcile.py を実行して候補を出す」「references/rules.md の分類ルールで4つに分ける」「5節構成で報告する」「送金・督促メールの送信・台帳の書き換えはしない」の4点です。スクリプトは請求番号と金額で候補を機械的に出し、名義の一致や手数料差の判断はエージェントに残しました。
---
name: invoice-reconcile
description: 請求台帳(invoices.csv)と銀行の入金明細(bank.csv)を照合し、入金済み・金額相違・未入金・請求のない入金を分類して報告する。入金確認、消込、未入金の洗い出し、督促前の確認、入金状況のチェックを頼まれたときに使う。Use when asked to reconcile invoices against bank deposits, check payment status, or find unpaid invoices.
license: Apache-2.0
metadata:
author: claude-code-lab
version: "1.0"
---
# 請求と入金の照合(消込)
## 手順
1. scripts/reconcile.py を実行する(引数は2つのCSVと基準日)。
match_by が number のものは確定、amount のものは名義の確認が要る。
2. references/rules.md の分類ルールで、入金済・金額相違・未入金・請求のない入金に分ける。
3. 入金済/金額相違/未入金(督促候補・期限前)/請求のない入金/次のアクション の順で報告する。
## 禁止事項
- 送金、振込、督促メールの送信はしない。CSVや台帳を書き換えない。
- 金額だけが一致した候補を、名義を確認せずに「入金済」にしない。
実行環境は、Claude Code v2.1.310(モデルは Sonnet 5.5 固定、claude -p の無人実行、許可ツールは Read・Glob・Grep・Skill と Bash(python3 *) のみ)と、OpenAI の Codex CLI 0.164.0(codex exec、workspace-write サンドボックス、モデルは当研究所の設定ファイルの既定値)です。依頼文は「data フォルダの請求台帳 invoices.csv と入金明細 bank.csv を見て、入金状況を確認してください。督促が必要な取引先があれば理由も教えてください。今日は2026年10月25日です」で、スキル名も「消込」の語も入れていません。
結果
| # | エージェント | 置き場所 | 依頼文 | スキルの扱い | 正解 | 費用・所要 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Claude Code / Sonnet 5.5 | .claude/skills | 自然文 | 一覧には載ったが呼ばれず。CSVを読んで自力で照合 | 9/9 | $0.106・13.8秒 |
| 2 | Claude Code / Sonnet 5.5 | .agents/skills のみ | 自然文 | 一覧に載らない(未検出)。自力で照合 | 9/9 | $0.107・14.2秒 |
| 3 | Claude Code / Sonnet 5.5 | .claude/skills | /invoice-reconcile を明示 | SKILL.mdを読み、スクリプトとrules.mdを使って5節構成で報告 | 9/9 | $0.114・19.3秒 |
| 4 | Claude Code / Sonnet 5.5 | .claude/skills | 「消込」「未入金の洗い出し」を含む自然文 | Skillツールを自動で呼び出し、5節構成で報告 | 9/9 | $0.122・18.3秒 |
| 5 | Codex CLI 0.164.0 | .agents/skills | 自然文(1と同じ) | 自動で選択。SKILL.md・rules.md・スクリプトを読んで実行 | 9/9 | 40.7秒・入力149,297トークン(うちキャッシュ114,560) |
| 6 | Codex CLI 0.164.0 | .agents/skills(Claude Code独自フィールド入り) | 自然文(1と同じ) | disable-model-invocation: true があっても自動で選択 | 9/9 | 40.5秒・入力110,212トークン(うちキャッシュ84,096) |
※ 当研究所の実測(2026年10月25日、各条件1回、架空データ)。費用はClaude Codeが返すAPI換算の値で、1ドル=150円なら約16〜18円。Codexは定額プランで実行したためトークン数のみ
読み取れることは4つあります。
Claude Codeは .agents/skills を読まない(2026年10月25日・v2.1.310時点)
実行ログの初期化イベントを比べると、.claude/skills に置いたときは利用可能なコマンド一覧が154件で invoice-reconcile を含み、.agents/skills だけに置いたときは153件で含まれませんでした。公式ドキュメントの置き場所一覧にも .agents/skills はありません。Cherny氏の投稿への返信には「Claude Code も .agents フォルダに対応するのか」という質問が付いており、2026年10月25日時点の答えは「まだ」です。
一覧に載っても、依頼文に業務の言葉がなければSonnetは呼ばない
「入金状況を確認して」という依頼では、descriptionに「入金状況のチェック」と書いてあってもSkillツールは使われず、CSVを読んで自力で解きました。「消込」「未入金の洗い出し」と、descriptionと同じ語で頼むと自動で呼ばれました。ドキュメントの「descriptionには利用者が自然に口にする語を入れる」という助言は、この差として表れます。
Codexは共通の置き場所の同じフォルダを、何も変えずに使った
Codexは冒頭で「invoice-reconcile スキルを使って照合します」と宣言し、SKILL.md・rules.md・スクリプトとCSVを読み、スクリプトを実行して、スキルが指定した分類(入金済5件・金額相違1件・未入金2件・請求のない入金1件)で報告しました。名義の違う110,000円の入金を「充当しない」と判断した点も含めて、Claude Codeの明示呼び出しと同じ結論です。Codex同梱のスプレッドシート用スキルも併せて参照していました。
Claude Code独自フィールドは、Codexでは無視される
disable-model-invocation: true(Claude Codeでは「利用者が /名前 で呼んだときだけ動く」)を足したスキルでも、Codexは自動で選びました。Codexで同じ制御をするには、Codex側の agents/openai.yaml に policy.allow_implicit_invocation: false を書く必要があります。「自動で呼ばれない」ことに安全上の意味を持たせている場合、他のエージェントでは前提が崩れます。
所要時間と費用も記録しました。Claude Codeはスキルを使わない2回が約14秒・約$0.106、スキルを使った2回が18〜19秒・$0.114〜0.122で、スキル本文とスクリプト実行の分だけ増えています。Codexは2回とも約41秒でした。モデルも課金体系も違うので速さや安さの比較ではなく、「どちらも1分以内に終わる」程度の目安として読んでください。
ここで押さえておきたいのは、各エージェントがスキルをどこから読むかです。公式ドキュメントから、2026年10月25日時点の対応をまとめました。
| エージェント | プロジェクト内の置き場所 | ホーム側の置き場所 | .agents/skills | .claude/skills |
|---|---|---|---|---|
| Claude Code v2.1.310 | .claude/skills(親ディレクトリも) | ~/.claude/skills、claude.aiから同期した ~/.claude/skills/synced | 読まない | 読む |
| Codex CLI | .agents/skills(親ディレクトリも) | ~/.agents/skills、/etc/codex/skills | 読む | 記載なし |
| Gemini CLI | .gemini/skills、.agents/skills | ~/.gemini/skills、~/.agents/skills | 読む | 記載なし |
| Cursor | .cursor/skills、.agents/skills、.claude/skills、.codex/skills | ~/.cursor/skills、~/.agents/skills、~/.claude/skills、~/.codex/skills | 読む | 読む |
| GitHub Copilot(VS Code) | .github/skills、.claude/skills、.agents/skills | ~/.copilot/skills、~/.claude/skills、~/.agents/skills | 読む | 読む |
※ 各社の公式ドキュメントを2026年10月25日に確認。Claude CodeとCodexは当研究所の実測で裏付け、Gemini CLI・Cursor・Copilotはドキュメントのみ
agentskills.io の実装ガイドは、エージェントの実装者に「自社固有のフォルダに加えて .agents/skills/ を読むこと」を勧め、「多くの既存スキルがそこにあるため .claude/skills/ も読む実装がある」と補足しています。表を見ると、Claude Code以外の4つはすべて .agents/skills を読み、CursorとCopilotは .claude/skills も読みます。仕様の生みの親であるClaude Codeが、共通フォルダに関しては最も保守的という構図です。
士業・バックオフィスはどう書けばいいのか?持ち運べるスキルの作り方
結論は、フロントマターは name と description を中心に仕様の6項目だけで書き、判断基準を references に、計算を scripts に分け、公開前に2つの検査に通すことです。今回の消込スキルはこの形で、Claude CodeとCodexの両方でそのまま動きました。手順を5つにまとめます。
持ち運べるスキルの書き方(5点)
- フロントマターは仕様の範囲で書く。name(小文字の英数字とハイフン、フォルダ名と一致)と description を必ず書き、license と metadata(作者・版)を添える。disable-model-invocation などClaude Code独自の項目は、他のエージェントでは効かないと知った上で使う
- description に「何をするか」「いつ使うか」と業務の言葉を入れる。「消込」「未入金」「督促」のように、頼む人が実際に使う語をそのまま書く。1,024字以内で、重要な用途を先頭に置く(Claude Codeは一覧で1件1,536字に切り詰める)
- 判断基準は references/、計算は scripts/ に分ける。SKILL.md は手順と報告の型と禁止事項だけにして500行以内に収める。手数料差の上限や督促の基準日のような「変わりうる数字」は rules.md に置くと、スキル本文を触らずに直せる
- 置き場所を2つ用意する。Claude Code向けに .claude/skills に置き、Codex・Gemini CLI向けに .agents/skills からシンボリックリンクを張るか、同じフォルダをコピーする。CursorとCopilotは .claude/skills も読むので、この2つだけなら片方で足りる
- 公開前に skills-ref validate と claude plugin validate の両方に通す。前者で仕様に合うか、後者でClaude Codeで読めるかを確かめる。description の二重引用符の中に二重引用符を入れない、YAML の値にコロンを含めるときは引用符で囲む、の2点でCodexの読み飛ばしを避けられる
権限の設計も持ち運びを前提に考えます。今回のスキルは「送金・送信・台帳の書き換えをしない」と本文に書きましたが、本文の禁止事項は守られる保証がない指示です。Claude Codeでは --allowedTools で Read・Glob・Grep・Skill と Bash(python3 *) だけを許可し、Codexでは workspace-write のサンドボックスで実行しました。スキル本文の「しない」と、エージェント側の「できない」を両方そろえる考え方は、権限設定ガードレールの作り方で整理しています。仕様の allowed-tools は実験的で、実装ごとに解釈が違うため、これだけに頼らないでください。
他人が作ったスキルを入れるときは、読んでから入れます。スキルはエージェントの権限をそのまま使うので、SKILL.md に書かれた「次のURLからダウンロードして実行せよ」という一行が、そのまま実行され得ます。Snykが2026年2月5日に公開した調査(ToxicSkills)は、ClawHub と skills.sh に公開されていた3,984個のスキルを監査し、13.4%にあたる534個に重大な問題、76個に悪意ある内容を確認しました。悪意あるものの91%はプロンプトインジェクションを使い、外部からのマルウェア取得、認証情報の送信、安全機能の無効化が主な手口でした。技術運営委員会が「安全指針」を最初の優先事項に入れたのは、この状況への対応です。指針が出るまでは、agentskills.io の実装ガイドが勧める「信頼していないリポジトリのスキルは読み込まない」運用と、入れる前に SKILL.md と scripts を自分の目で読むことが対策になります。
当研究所の見解では、士業事務所やバックオフィスがスキルを書く最初の題材は、今回のような「毎月同じ手順で、判断基準が言葉にできる作業」が向いています。消込のほかに、許可申請の添付書類チェック、契約書の必須条項の確認、月次報告書の型などです。手順を SKILL.md に、基準を rules.md に書き出す作業そのものが業務の棚卸しになり、書いた資産はエージェントを替えても持ち運べます。Claude Codeの入門ガイドから始めた方は、まず1つのスキルを .claude/skills に置いて明示呼び出しで動かし、次に description を磨いて自動発火を確かめる、という順番が確実です。
限界と注意点
この記事の実測には次の限界があります。
読むときの注意
- 各条件1回ずつの実測で、統計的な比較ではありません。特に「自然文ではスキルが呼ばれなかった」は1回の観察で、モデルや依頼文の揺れで変わり得ます
- Claude Code側は Sonnet 5.5 固定、Codex側は当研究所の設定ファイルの既定モデルで、モデルの優劣を比べる設計ではありません。費用もClaude CodeのAPI換算値とCodexのトークン数で、同じ物差しではありません
- 「Claude Codeは .agents/skills を読まない」は2026年10月25日・v2.1.310時点です。リリースノートで変わる可能性があるので、使う前に Releases を確認してください
- Gemini CLI・Cursor・GitHub Copilot は公式ドキュメントの記載のみで、実行はしていません
- skills-ref は「デモ目的」と明記された参照実装で、各エージェントの実際の読み込み規則(寛容な検証)とは一致しません。標準外と判定されたスキルも、そのエージェントでは動きます
- 仕様はこれから番号付きの版が出る予定です。本記事の制約値(name 64字、description 1,024字など)は2026年10月25日時点の仕様です
まとめ
この記事のまとめ
- Agent Skills は SKILL.md を含むフォルダでエージェントに手順と資料を渡すオープン仕様で、2026年10月22日にAnthropicが名称・ロゴ・GitHub組織・ドメイン・仕様を Linux Foundation 傘下の AAIF へ寄贈した
- 既存スキルの動作とライセンスは変わらない。変わるのは仕様の管理主体と、これから付く版番号・提案手続き・安全指針
- Claude Code v2.1.310 は .claude/skills を読み、共通の .agents/skills は読まない。Codex CLI 0.164.0 は .agents/skills の同じ SKILL.md を自動で選び、9項目すべてを正しく判定した
- Claude Code 独自のフィールド(disable-model-invocation など)は Codex では無視され、claude.ai へのアップロードではエラーになる
- 手元の101スキルのうち29は仕様外。description の1,024字超えと独自フィールドが原因で、公開前は skills-ref validate と claude plugin validate の両方に通す
- 自動発火の条件は、description と依頼文に同じ業務の言葉があること。他人のスキルは SKILL.md と scripts を読んでから入れる
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よくある質問
Agent SkillsとClaude Codeのスキルは同じものですか?
土台は同じです。Claude Codeのスキルは、Agent Skills仕様(name・description必須、license・compatibility・metadata・allowed-tools任意)に、disable-model-invocationやcontext: forkなどClaude Code独自のフィールドを足したものです。独自フィールドは他のエージェントでは無視され、claude.aiへのアップロードやSkills APIではエラーになります。複数のツールで使い回すなら、フロントマターはnameとdescriptionを中心に書くのが安全です。
Agent Skillsの寄贈で、今あるスキルは作り直しが必要ですか?
必要ありません。Anthropicは2026年10月22日の発表で、既存のスキルはそのまま動き、ライセンスも変わらないと明言しています。移ったのは名称・ロゴ・GitHub組織・agentskills.ioドメインと仕様の管理主体です。今後は技術運営委員会が番号付きの版を出す予定なので、公開するスキルはskills-ref validateで現行仕様に合うかを確認し、変更履歴を追う習慣をつけると安心です。
Claude Codeは.agents/skillsフォルダのスキルを読みますか?
2026年10月25日時点のClaude Code v2.1.310は読みません。公式ドキュメントの置き場所一覧に.agents/skillsはなく、当研究所の実測でも.agents/skillsだけに置いたスキルは一覧に出ませんでした。Codex・Gemini CLI・Cursor・GitHub Copilotは.agents/skillsを読みます。両方で使うなら.claude/skillsに置いて.agents/skillsからシンボリックリンクを張るか、同じフォルダをコピーします。CursorとCopilotは.claude/skillsも直接読みます。
他人が作ったAgent Skillsを入れても安全ですか?
読んでから入れてください。スキルはエージェントの権限をそのまま使うので、SKILL.mdの指示や同梱スクリプトに悪意があれば、ファイルの送信や削除まで実行され得ます。Snykが2026年2月5日に公開した調査では、公開されていた3,984個のスキルのうち534個(13.4%)に重大な問題があり、76個は悪意あるものでした。SKILL.mdとscriptsを読む、信頼したリポジトリのスキルだけ読み込む、allowed-toolsの解釈はツールごとに違うと知る、の3点が最低限の対策です。
スキルのdescriptionには何を書けばいいですか?
「何をするか」と「いつ使うか」を、頼む人が実際に口にする業務の言葉で書きます。仕様の上限は1,024字で、Claude Codeは一覧に載せるときに1件1,536字で切り、一覧全体の予算はコンテキストの1%です。当研究所の実測では「入金状況を確認して」ではスキルが呼ばれず、descriptionにある「消込」「未入金の洗い出し」と同じ語で頼んだときに自動で呼ばれました。読者が使う言葉をそのまま入れることが自動発火の条件です。
参考資料・出典
- 公式ブログ・記事Donating Agent Skills to the Agentic AI Foundation
寄贈の範囲(名称・ロゴ・GitHub組織・ドメイン・仕様)、AAIFとの関係、70超の対応基盤、100万スキル・約2.8億インストール、Lead Maintainers、ロードマップ、2025年10月開始・12月標準化の経緯
- スレッドWe're donating Agent Skills to the Agentic AI Foundation(@ClaudeDevs の告知スレッド)
技術運営委員会の構成(Anthropic・Earendil (Pi)・Google・Microsoft・OpenAI・OpenCode)、ライセンス不変、最初の優先事項。表示92.1万・いいね8.6K・ブックマーク2.5K(2026-10-25取得)
- スレッドAgent Skills started as an experiment in Claude Code(Boris Cherny の投稿)
寄贈の動機の直接引用。表示25.9万・いいね2.5K(2026-10-25取得)
- 公式ドキュメントSpecification — Agent Skills
フロントマター6項目と制約(name 64字・description 1,024字・compatibility 500字)、段階的開示の目安、SKILL.md 500行以内、skills-ref validate
- 公式ドキュメントHow to add skills support to your agent — Agent Skills
.agents/skills/ の慣習、.claude/skills/ も読む実装があること、寛容な検証、信頼していないリポジトリのスキルを読まない設計、カタログ1件50〜100トークン
- 公式ドキュメントSkills — Claude Code Docs
置き場所7種、Claude Code独自のフロントマター、Claude Code外で受け付ける6項目とハードエラー、一覧の予算1%・1件1,536字、claude plugin validate(v2.1.233以降)、YAMLが壊れたときの挙動
- 公式ドキュメントBuild skills — Codex
Codexの置き場所(.agents/skills と親ディレクトリ、$HOME/.agents/skills、/etc/codex/skills)、暗黙・明示の呼び出し、agents/openai.yaml、一覧の上限(約2%または8,000字)
- 公式ドキュメントAgent Skills — Gemini CLI
.gemini/skills と .agents/skills、activate_skill ツールと同意プロンプト、/skills コマンド
- 公式ドキュメントSkills — Cursor Docs
.cursor/skills と .agents/skills に加えて .claude/skills と .codex/skills も読むこと、Cursor独自フィールド
- 公式ドキュメントUse Agent Skills in VS Code
.github/skills・.claude/skills・.agents/skills と、ホーム側の3か所。argument-hint・disable-model-invocation など拡張フィールド
- 公式ブログ・記事Donating Agent Skills to the Agentic AI Foundation(Simon Willison's Weblog)
2025年12月の時点でAAIF入りを予想していた記述
- 公式ブログ・記事Equipping agents for the real world with Agent Skills
スキルの定義、段階的開示の3段階、スキルを作った動機の引用
- 公式ブログ・記事ToxicSkills: Malicious AI Agent Skills Are Spreading Through ClawHub and skills.sh
3,984スキルの監査、534(13.4%)に重大な問題、76件の悪意あるスキル、攻撃パターン、スキルがエージェントの権限を継承する点
- GitHubagentskills/agentskills(仕様・ドキュメント・skills-ref)
skills-ref 0.1.0 の導入手順と validate / read-properties / to-prompt、検査が許すフィールドの集合(validator.py)
- ニュースOpenAI and Anthropic Donate AGENTS.md and Model Context Protocol to New Agentic AI Foundation
AAIFがLinux Foundation傘下の directed fund であること、創設プロジェクト(MCP・goose・AGENTS.md)、プラチナ会員
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